業績管理や予算編成をExcelで行っている多くの企業が、非効率や属人化といった課題に直面しています。EPM(Enterprise Performance Management)は、こうした課題を解消し、全社のデータを一元管理することで、迅速かつ正確な意思決定を支援する管理手法です。本記事では、EPMの基本的な概念から導入メリット、Excelとの違い、そして弊社が提供する管理ツール「Jedox(ジェドックス)」による実現方法までをわかりやすく解説します。脱Excelの第一歩として、EPMの可能性をぜひご確認ください。
目次
- まだExcelで管理していませんか?よくある業務課題
- EPMとは何か?意味と基本機能をわかりやすく解説
- EPM導入で何が変わる?期待できる導入効果
- ExcelからEPMへの移行が進む理由とは?
- EPM導入の第一歩:業務管理ツール「Jedox(ジェドックス)」の特長
1. まだExcelで管理していませんか?よくある業務課題
業績管理や業務進捗、予算編成を担う多くの企業では、依然としてExcelが中心的なツールとして使われています。しかしその一方で、属人化や集計ミス、情報の分断など、さまざまな課題が日々の業務を圧迫しています。特に経営判断に必要なデータの迅速な可視化や部門間連携において、Excelだけでは限界を迎えつつあります。こうした課題を根本から解決する手段として、いま注目されているのがEPM(企業業績管理)です。
よくある業務課題:
- ファイルの多重管理で更新に手間がかかる
- 計算ミスや集計ミスによる信頼性の低下
- 属人化によるブラックボックス化
- データ整合性チェックに多くの工数
上記を企業の部門毎に置き換えた場合の課題と業務影響は次の通りです。
2. EPMとは何か?意味と基本機能をわかりやすく解説
EPM(Enterprise Performance Management)は、企業の業績を可視化し、計画・予算・実績を一元的に管理・分析することで、経営判断の精度とスピードを高める統合型のマネジメントソリューションです。部門ごとのKPIや財務指標、非財務データをリアルタイムに把握・共有できる仕組みを提供し、経営戦略の実行力を強化します。また、変化の激しいビジネス環境に対応する柔軟なシナリオ分析や、属人化の解消にも大きく貢献します。
EPMの定義と役割
EPM(Enterprise Performance Management)とは、予算編成や業績管理、財務の見通し、シナリオ分析などをひとつの仕組みでまとめて管理できるシステムです。これにより、経営層はもちろん、各事業部や現場の担当者も同じデータや指標をもとに業務を進められるようになります。意思決定に必要な情報がすぐに手に入り、部門ごとの目標や進捗状況も可視化されるため、経営と現場が連携しやすくなります。経営判断だけでなく、各部門の日々の業務や計画づくりにもEPMの考え方と仕組みが役立つ時代になってきているのです。
EPMとBI・ERPとの違い
BI(Business Intelligence)は、過去に起きた出来事を振り返り、「何が起きたのか」「なぜそうなったのか」を分析するための仕組みです。売上の推移や顧客の動きなど、過去のデータをもとに課題を見つけ出すのが得意です。
一方、ERP(Enterprise Resource Planning)は、販売・在庫・会計・人事など、企業内のさまざまな業務を1つのシステムで管理し、業務の効率化や情報共有を目的としています。
そしてEPM(Enterprise Performance Management)は、BIとERPの中間に位置づけられ、これからの経営や業務に「どう備えるか」「どう動くか」を考えるためのシステムです。たとえば、来期の予算をどう立てるか、売上が落ちたときにどう対応するかといった“未来の計画や判断”に力を発揮します。過去の分析に加えて、将来を見据えた意思決定を支えるのが、EPMの大きな役割です。
EPMの主な機能
予算編成
- 各部門からの予算案の収集と統合(ボトムアップ/トップダウン両対応)
- 複数パターンの予算シナリオ作成(楽観/悲観など)
- 前年実績やトレンドを基にした予算自動生成
- ワークフローによる承認プロセス管理
- 予算のバージョン管理と履歴管理
業績管理
- 実績データの自動収集と統合(ERPや会計システムとの連携)
- 予算と実績の差異分析(Variance Analysis)
- KPIモニタリング(営業利益率、在庫回転率など)
- 週次・月次・四半期など多様な粒度での業績トラッキング
- シナリオ比較による柔軟な意思決定支援(What-if分析)
レポーティング
- インタラクティブなダッシュボード作成
- グラフ・チャートによる視覚的な業績表示
- 定型レポートの自動生成(週報・月報など)
- ユーザーごとの閲覧権限設定
- 経営層向けプレゼン資料への自動出力(PDF/Excel/PowerPointなど)
3. EPM導入で何が変わる?期待できる導入効果
EPMを導入することで、企業の管理業務は大きく進化します。これまで部門ごとに分散していたデータやExcelファイルをひとつのプラットフォームに集約できるため、情報の一元管理が可能になり、作業の効率が大幅に向上します。また、業績やKPIの状況をリアルタイムで可視化できるため、問題の早期発見と迅速な意思決定が実現します。
さらに、予算と実績の差異分析や、将来のシナリオを複数比較する「What-if分析」も簡単に行えるようになり、経営層だけでなく現場の担当者にとっても、より正確で柔軟な判断が可能になります。EPMは単なるツール導入ではなく、経営業務管理の在り方そのものを見直すことができます。
全社データの一元管理で業務効率化
バラバラだった各部門のデータをEPMで統合することで、最新の情報をリアルタイムに把握できるようになります。これにより、都度のファイル統合や照合作業が不要になり、人的ミスも減少。経営層は常に正確なデータをもとに迅速な判断ができ、現場の業務効率も大きく向上します。
部門間連携とKPIの可視化
共通のプラットフォーム上でKPIがリアルタイムに可視化されることで、部門ごとの目標や数値が明確になり、全社での共有がスムーズに行えるようになります。その結果、部署間の連携や協力体制が取りやすくなり、誰が何をどこまで進めているのかといった責任や進捗状況も一目で把握できるようになります。これにより、業務の遅れや重複を防ぎ、組織全体の生産性が高まります。
経営層への迅速なレポーティング
経営層が必要とする情報を、リアルタイムかつ正確な形でスピーディに提供できるようになります。これまで複数のExcelファイルを集計し、体裁を整えるのに数日かかっていたレポート作成も、EPMを使えばボタンひとつで自動生成が可能になります。その分、分析や意思決定にかける時間を大幅に確保できます。
4. ExcelからEPMへの移行が進む理由とは
昨今、業務の複雑化や経営環境の変化に対応するため、ExcelからEPMへ移行する企業が急速に増えています。かつては部門ごとの管理にExcelが便利に使われていましたが、属人化や手作業によるミス、データの分断といった限界が顕在化しつつあります。
その一方で、迅速な意思決定や柔軟な経営対応が求められる中、リアルタイムに全社の数値を把握し、将来の計画やシミュレーションを支えるEPMの重要性が高まっています。こうした背景から、EPMは単なるITツールではなく、経営基盤そのものとして注目されています。
アジャイル経営に求められる柔軟なシナリオプランニング
環境変化の激しい時代においては、予測不能な事態にも柔軟に対応できる経営体制が求められます。そのためには、「売上が下がった場合」「原価が上がった場合」など、複数のシナリオを迅速に作成し、それぞれの影響を比較検討する必要があります。EPMはこうしたシナリオプランニングに優れており、条件を変えるだけで瞬時に結果を可視化できるため、スピーディかつ戦略的な意思決定を可能にします。
ESG・サステナビリティへの対応も容易に
企業に対する社会的責任が問われる今、財務情報だけでなく、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)といった非財務情報も含めた統合報告が重視されるようになっています。こうした背景の中で、EPMは売上や利益といった財務指標に加え、CO2排出量や従業員エンゲージメントなどの非財務KPIも同じ基盤で管理・分析できる仕組みを備えています。これにより、ESG対応やサステナビリティ報告への対応もスムーズになり、企業価値の向上とステークホルダーへの信頼確保に貢献します。
属人化の解消と業務継続性の向上
業務をEPMに標準化することで、これまで属人化していたExcel作業やマクロの運用を脱却し、誰でも同じ手順で処理できる業務フローを構築できます。これにより、特定の担当者に依存するリスクを減らし、引き継ぎや人事異動があっても安定して業務を遂行できる体制が整います。また、災害や緊急事態が発生した際にも、クラウドベースのEPMで業務を止めずに継続できるため、BCP(事業継続計画)の観点からも非常に有効な仕組みとなります。
5. EPM導入の第一歩:業務管理ツール「Jedox(ジェドックス)」の特長
Jedox(ジェドックス)は、予算編成・業績管理・シナリオ分析などを効率化するEPM(企業業績管理)ツールです。Excelに似た使いやすい操作感を持ちながら、全社データの一元管理やリアルタイム分析が可能で、経営層から現場まで幅広く活用できます。複数の部門・拠点からのデータ収集、集計、レポート作成までを自動化し、スピーディな意思決定を支援します。Excelの限界を感じている企業にとって、無理なく導入できる柔軟なプラットフォームです。
Jedoxについて詳細が知りたい方はこちらを参照ください。
まとめ:EPM導入で脱Excelと業務変革を同時に実現しよう
EPMは単なるITツールではなく、企業経営のあり方そのものを進化させる「仕組み」です。属人化や手作業の限界に直面している今こそ、従来のExcel中心の業務スタイルを見直し、EPMの導入を真剣に検討すべきタイミングです。
なかでも、Jedoxのような柔軟性と実用性を兼ね備えたEPMツールを導入することで、現場レベルの業務効率化はもちろん、経営層の意思決定スピードや戦略遂行力も大きく向上します。
データを活かし、企業の未来を切り拓くために──業績管理の新たなスタンダードは、すでにEPMの中にあります。