導入背景：財務計画の非効率性を改善へ
Jedox（ジェドックス）を導入する以前、Malmaison（マルメゾン）ではスプレッドシートをベースとした財務計画を行っていました。26の各ホテルがそれぞれ独立した財務運営を行う中、計画・予算・財務モデリングのプロセスは手作業に依存していました。
チームは、電子メールでファイルを配布・回収しながら作業を進める必要があり、各拠点の進捗状況を把握することが困難でした。
また、以下のような課題が発生していました：
- バージョン管理の混乱
- 各ホテルから送られる複数のファイルが存在し、最新のデータを特定するのが困難。
- 最終報告書の精度確保の負担
- 手作業によるデータ統合や調整に時間がかかり、ミスのリスクが増大。
- データの再利用が困難
- 既存データを効果的に活用する仕組みがなく、都度新たな手作業が発生。
- 迅速な情報提供の難しさ
- 経済状況の変化に迅速に対応するための情報提供が遅れ、意思決定のスピードが制約される。
これらの課題により、財務チームは業務プロセスの効率化と自動化の必要性を強く感じ、改善が急務となっていました。
導入施策：Jedox導入でレポート自動化と分析強化
Jedox（ジェドックス）を選択した後、Malmaison（マルメゾン）が最初に取り組んだのは、データ収集の手間がかかり、毎日更新が必要だった日次レポートの自動化でした。従来は手作業が必要だったこのプロセスは、現在では完全に自動化され、追加作業なしで前日の収益データを毎朝6時30分までに配信できるようになりました。これにより、より迅速な意思決定が可能になり、運用効率が大幅に向上しました。
Jedox（ジェドックス）導入のさらなる利点として、ユーザーがレポートの内容を自由にコントロールできるようになった点が挙げられます。従来の静的なレポートとは異なり、Jedox（ジェドックス）では動的なアプローチを採用し、まず高レベルの概要を提供しながら、以下のような詳細データに掘り下げることが可能となりました。
- サイト別の収益分析
- 収益源別の詳細
- 日別のパフォーマンス追跡
従来は、あらゆる可能性のあるデータを詰め込んだフラットファイルの作成が必要でしたが、Jedox（ジェドックス）の動的アプローチにより、情報の表示方法に対する柔軟性と創造性が飛躍的に向上しました。これにより、レガシーシステムでは実現できなかった高度なカスタマイズ性と適応性が可能となり、より戦略的な意思決定をサポートしています。
導入成果：業務効率化とデータ管理を強化
Jedox（ジェドックス）の導入により、Malmaison（マルメゾン）の26拠点にスプレッドシートを配布し、手動で記入・回収する必要がなくなりました。
新しいシステムでは、インターネットブラウザを通じて利用可能なカスタムデザインフォームを導入。これにより、スプレッドシート形式をベースにしながらも、ユーザー入力の管理がより適切に行えるようになりました。さらに、すべての情報は中央データベースに自動集約されるため、各拠点から個別にフォームを収集する手間が削減され、業務の効率が飛躍的に向上しました。
新システムでは、ユーザーが組織のネットワーク内にいる限り、ブラウザを通じて簡単にアクセスできるため、情報の入力や確認がスムーズに行えます。これにより、プロセスの進捗状況の追跡が容易になり、チームはユーザーが現在どの段階にいるのかをリアルタイムで可視化できるようになりました。
これらのプロセス改善は、収益に直接的な影響を与え、チームが重要な情報をタイムリーかつ費用対効果の高い方法で入手できるようになりました。
Malmaison & Hotel du Vin（マルメゾン＆ホテル・デュ・ヴァン）の財務ディレクター、Gary Hall（ゲイリー・ホール）氏は次のように述べています：
「私たちは、各ホテルの財務実績だけでなく、従業員、顧客、サプライヤー、品質管理といったビジネスのあらゆる側面を網羅する3次元的なレビューを行いたいと考えました。」
このように、Jedoxの導入により、Malmaisonは業務プロセスの最適化とデータ管理の高度化を実現し、より戦略的な意思決定を可能にしています。
Malmaison & Hotel du Vin
英国全土に26のブティックホテルを展開するグループです。1994年にエディンバラで最初のホテルをオープンしたMalmaisonは、現在12のホテルを運営しています。2004年にHotel du Vinを買収し、さらに14のホテルを追加。2つのブランドを合わせると、総客室数は1,900室を超え、50軒以上のレストランとバーを展開しています。従業員数は2,000人以上、年間売上高は1億ポンドを超える規模を誇ります。