導入背景: 乱立するExcelとERPが生む、経営管理の非効率
Zertus(ツェルトゥス)は、1826年に創業したドイツの老舗食品グループです。12の子会社を統括する同社では、長年にわたりExcelベースのレポーティングでグループ全体の経営管理を行ってきました。
しかし、レポート数の増加に加え、子会社ごとに異なる6種類のERPシステムが稼働していたため、データ収集と分析は非効率化。経営陣が迅速に意思決定を行ううえで大きな障壁となっていました。
この状況を打開するため、同社は属人的なExcel依存から脱却し、スケーラブルで持続可能な経営管理基盤の構築を急務としていました。
【課題】
- グループ全体で月768ファイルのExcelレポートが作成され、管理が複雑化
- 子会社ごとに6種類のERPシステムが稼働し、データが分断
- IT部門に依存せず、各事業部門が自律的に活用できる仕組みが必要
- 将来の拡張を見据え、段階的に導入・展開できるスケーラビリティが必須
導入施策:小さく始め、大きく育てる。Jedoxが導く統合計画基盤
Zertus(ツェルトゥス)は、複数のソリューションを比較検討した結果、Jedoxの導入を決定しました。
決め手となったのは、Jedoxの強力な計画機能、Excelに近い直感的な操作性、そして段階的に機能を拡張できるモジュラーアプローチでした。
同社は「管理可能なステップで進めること」を重視し、まずはホールディングカンパニーと一部のパイロット子会社から導入を開始。Excelデータの移行から始め、次にデータウェアハウスの構築、そして最終的にはグループ全体への展開という体系的なロードマップを描き、プロジェクトを着実に推進しました。
【 施策 】
- 強力な計画機能とExcelライクな操作性が評価され、Jedoxを経営管理基盤として採用
- Excelレポートの置き換えから着手し、ERPデータを自動連携するデータウェアハウスを構築
- ホールディングカンパニーと子会社2社でのパイロット導入により成功モデルを確立し、グループ全体へ展開
- 人事、コストセンター、設備投資などの個別モジュールを導入し、最終的にP&L、B/S、キャッシュフロー計画を統合
導入成果:時間短縮 × 品質向上 × 透明性強化──Jedoxが実現
Zertus(ツェルトゥス)は、Jedoxの導入によって経営管理プロセスに大きな変革を実現しました。標準化と自動化により計画策定の効率が飛躍的に高まり、ホールディングカンパニーでは予測作成時間を月1.5日削減。さらに、データの品質とセキュリティが向上しただけでなく、ワークフロー機能により分散していた計画プロセスの進捗を可視化しました。これにより、データの出所が明確になり、グループ全体の計画プロセスにおける透明性も大幅に強化されました。
【成果】
- ホールディングカンパニーの予測作成時間を、毎月1.5日削減
- 標準化・自動化されたテンプレートで、計画策定の効率・データ品質・セキュリティを大幅に向上
- 減価償却費の自動計算や複雑なボーナス構造を反映した人事計画により、計画精度を改善
- ワークフロー機能で各部門の計画状況を可視化し、プロセスの透明性を強化
まとめ
Zertus(ツェルトゥス)は、Jedoxの導入により「月768本ものExcelレポート」と「分断されたデータ管理」という課題を解決しました。スモールスタートから段階的に展開し、最終的にはグループ全体をカバーする統合計画基盤を構築。このアプローチは、多くの企業にとって参考となるモデルケースです。
導入効果として、予測作成時間を月1.5日短縮しただけでなく、データ品質とプロセスの透明性を向上。グループ全体の経営管理を新たなステージへと引き上げました。
Zertus(ツェルトゥス)
1826年創業のドイツ・ハンブルクに本社を置く、高品質な食品・飲料を製造・販売する4つの事業部門と12の子会社を傘下に持つホールディングカンパニーです。製品開発から生産、品質管理、流通までを一貫して手掛け、現在約2,300人の従業員を擁しています。